顔の美容外科とまぶたの専門治療
(最終更新日:2024年7月6日 Written by 一瀬晃洋)
眼瞼下垂
一瀬晃洋(いちのせあきひろ)は、神戸大学在任のべ20年間、眼瞼下垂症(先天性、後天性)の手術に取り組んで参りました。その名医を目指して当院の開業を行って6年になりますが、今後もライフワークとして眼瞼下垂の治療を続けていきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
眼瞼下垂症の手術は、原則的に当院で創意工夫をこらした部分切開法で行っています。術式の工夫はオリジナルなものがいくつも含まれ、現在もアップデートを行い続けています。
眼瞼下垂といっても様々な病態がありますが、きちんと診察してどのような眼瞼下垂にも対応致します。もしかして自分も眼瞼下垂かな?とお感じの方は、どうぞご相談下さい。
(※眼瞼下垂は保険適応で治療可能ですが、二重まぶたの再構築手術をする場合やまぶたのタルミ切除は保険適応外になります。)
眼瞼下垂 分類
2.後天性眼瞼下垂
(生まれつきではない眼瞼下垂)
- a)腱膜性眼瞼下垂
→まぶたを上げる筋肉がゆるんでまぶたからはずれる状態
- b)神経原性眼瞼下垂
- c)筋原性眼瞼下垂
- d)瘢痕性眼瞼下垂
→後天性眼瞼下垂のうち最も多い加齢による眼瞼下垂は、腱膜性眼瞼下垂およびまぶたをあげる筋肉の力の低下です。
眼瞼下垂は一部の人がかかるような特別な病気ではありません.まぶたを挙げる筋肉はとても緩みやすい弱い組織ですので,ほとんどの方が一生のうち一度は修理が必要な部分になると言って差し支えありません.
眼瞼下垂 診断
眼瞼下垂の診断および治療を行うには、確認しておかなければならない事項が多くあります。
一般的に下記の全ての情報が必要となります。
検査
1.MRD (margin to reflex distance)
- 瞼縁から角膜反射(ほぼ角膜の中心)までの距離で、上まぶたの開き具合を示します。眼瞼下垂の診断および重症度の指標。挙筋前転量の決定にも重要です。
2.挙筋機能検査
- 術式および眼瞼挙筋前転量の決定に重要です。眼瞼挙筋の動きを計測しますが、誤ったやり方では正確な計測が出来ません。正確に計測してそれを評価出来ることが眼瞼下垂の治療の名医の条件と言えます。この検査は実際にはとても難しく、この検査に習熟するには長い臨床経験が必要です。
3.瞼裂の形状
- まぶたの内側~外側のどの部分が下がっているか? 眼瞼挙筋前転量の決定に重要です。
4.眼瞼痙攣の状態の確認
- 自覚症状および眼瞼の診察。術式および眼瞼挙筋前転量の決定、および治療効果の確認にとても重要です。後で詳しく述べますが、眼瞼下垂の手術において、”眼瞼痙攣”を持っているか否かはもっとも重要な問題です。
5.二重まぶた、まぶたの厚さなどの確認
- 術式の決定に重要です。眼瞼下垂の手術で美しい二重まぶたをつくるならば、人によってはいくつか術式を追加する必要があるかもしれません。
6.既往歴、自覚症状の問診
- まぶたの症状、全身の症状など。過去に二重まぶた手術や眼瞼下垂の手術を受けているか?眼瞼挙筋前転量の決定のみならず、術式そのものも決定において重要な情報です。
7.皮膚の余剰、眉毛の高さ
- 直接眼瞼下垂に関係無いように見えますが、実はとても重要です。
眼瞼下垂 治療の選択
眼瞼下垂の状況によって用いる治療が異なります.
ぴったりあう手術を選ぶことが成功の鍵です。
1.眼瞼挙筋前転術(腱膜固定術)
- 後転性眼瞼下垂の90%以上
- 先天性眼瞼下垂の一部
2.筋膜移植
- こどもの先天性眼瞼下垂
3.前頭筋のつり上げ
- 大人の先天性眼瞼下垂
- 神経原生眼瞼下垂
- 筋原性眼瞼下垂
→生まれつきでない眼瞼下垂には,通常挙筋前転術(腱膜固定術:保険適応)が選択されます.
眼瞼下垂症の名医の手術方法いろいろ
眼瞼下垂の名医と言われる先生の手術は、同じ挙筋前転術といっても、その手技は大きい部分から細かい部分まで様々な違いがあります。眼瞼下垂の名医達は自分の考えに基づいて独自にいろいろな工夫を加えた結果、それぞれかなり異なる内容の手術になっているのです。手術を受ける際には、それぞれの術式の内容や考え方についても良く検討する必要があるといえます。
眼瞼下垂の症状
眼瞼下垂は,知らず知らずのうちに私たちの体や心をむしばみます.
開きにくいまぶたを一日中頑張って挙げておくのはとても疲れます.眼瞼下垂になると,眼や体の疲れがひどく,偏頭痛,首・肩こり,顔や眼の痛みなどが生じて,体調がすっきりしなくなります.
眼瞼下垂セルフチェック
1.まぶた・眼の症状
- まぶたが重い・開きにくい まぶたが邪魔 視野が狭い 眼精疲労
2.その他の眼の症状
- 眼の奥の痛み・目の周囲の痛み・違和感、まぶしさ、めまい、涙の異常 等)
3.まぶた以外の症状
- 頭痛 肩こり・首の痛み 他の症状(顔、耳周囲の痛み、昼間眠い、鼻炎など)
4.美容面の症状
- ひたいの横シワ、眼の上のくぼみ 眼の下の眼袋 眼のクマ 疲れて見える 元気がない顔 怖い(冷たい)表情
※上記症状に思い当たる方は眼瞼下垂の専門医の受診をおすすめします。
ひどい頭痛に悩まされて脳神経外科などいくつも受診したが原因がわからなかった。実は眼瞼下垂症であり、眼瞼下垂の手術を受けたらすっかり治ったったという症例はよくあります。
お勧め! 部分切開法による眼瞼下垂手術
おすすめする術式
いちのせ式(4点留め)部分切開法眼瞼下垂症手術
※約15mmの短い皮膚切開から挙筋前転を行う。米国の小切開眼瞼下垂症手術(8mm切開)を基に術式を開発。
「いちのせ式部分切開法」は,まぶたを内側から外側までざっくりと切る「全切開法」とは異なる方法で、約15mmの切開より眼瞼下垂の手術を行います。
小さい切開ですが4点の腱膜の固定を行うため、全切開法と比較しても効果や持続性に遜色はありません。(※通常の挙筋前転術は2-3針の固定です。4点留めだと、内側~外側にかけてと強固な固定が可能です)
軽い眼瞼下垂から重度の眼瞼下垂までほとんどのタイプの後天性眼瞼下垂に適応します。
眼瞼下垂の手術は、主に「いちのせ式部分切開法」を用いて1200眼/年間以上行っております(2019年、2020年、2021年、2022年、2023年実績)。
2000年以降、神戸・大阪・和歌山で合計14000眼以上の症例を重ねております(保険適応および適応外手術)。
「いちのせ式部分切開法」は簡単&確実な方法で、様々な点でお勧め出来る方法であり、眼瞼下垂手術の決定版の術式であると自負しております。
なにより患者さんにとって受けやすい手術です。
どうぞ安心してお受け下さい
特徴
1.低侵襲手術
- 術後のダウンタイムが少なく回復が早い。
可能な限り腫れない治療。 - →術後7日で若干内出血が残る程度です(翌日より眼鏡で職場復帰できることも。)
2.手術が受けるのが楽
- 手術時間が短い,痛みが少ない
- →15-20分で済みます
3.変形・傷あとが目立ち難い
- 術後の傷あとは目立たない
- →短い15mmの切開の傷あとは、思いの外目立ち難くなります。手術を受けた形跡が少ない方法です。
4.三角目・ワニ目を防ぐ
- 4点留めで整った自然な形のまぶたに
- →内側から外側まで固定して、キレイなアーチのまぶたを目指します!(眼瞼下垂の手術では左右差はどうしても生じますが、三角目にならないことが眼瞼下垂の名医の条件だと思います。)
5.確実性,長期持続
- 4点留めにすることで強い固定力
- →長期的に緩みにくい術式です
学会報告や論文報告
本術式については、すでに国内外の学会報告や論文報告を数多く行っています。
<学会発表 (抜粋)>
- 2006年
日本美容外科学会総会(広島) シンポジウム
一瀬晃洋 神戸大学形成外科・美容外科
- 2008年
日本美容外科学会総会(横浜) シンポジウム
一瀬晃洋 神戸大学形成外科・美容外科
- 2013年
日本形成外科学会総会(札幌) ビデオシンポジウム
一瀬晃洋 神戸大学形成外科・美容外科
- 2013年
韓国美容外科学会総会(asian blepharoplasy forum、韓国 ソウル)
Akihiro Ichinose, Kobe university graduate school of medicine
- 2017年
日本形成外科学会総会(大阪)
- 2021年
日本美容外科学会学術集会(神戸) シンポジウム
部分切開法眼瞼挙筋前転術-前転量の術前決定法
日本美容外科学会総会(大阪)
Asian MOU Session 「Extended Infrabrow skin excision blepharoplasty and its complementary procedures 」
<論文報告・解説>
- 成人の眼瞼下垂症手術-部分切開法眼瞼挙筋腱膜前転術-
一瀬晃洋 神戸大学形成外科・美容外科 PEPARS2010
- 眼瞼下垂: 成人の眼瞼下垂症手術-部分切開法眼瞼挙筋腱膜前転術-
一瀬晃洋 PEPARS2021
- 瞼のアンチエイジング
一瀬 & 酒井. アンチエイジング医学 日本抗加齢医学会誌 2023
症例写真 眼瞼下垂症手術
眼瞼下垂症手術は、当院で最も多く行っている手術です。
(4点留め)部分切開法眼瞼下垂症手術
「いちのせ式部分切開法」は,約15mmの切開より眼瞼下垂の手術を行います。
小さい切開よりまぶたの内側から外側まで4点の腱膜の固定を行うため、低侵襲かつ三角眼にならずに綺麗なまぶたの形に仕上げることが出来ます。
手間を掛けない普及品の様な手術だと感じるかもしれませんが、全切開法と比較しても効果や持続性は劣りません。
これまでの経験によって総合的にみて部分切開法が優れていることが確認されていますので、眼瞼下垂手術の第一選択としています。
眼瞼下垂 手術 画像 50才代女性
※健康保険適応
二重整形は特に行っておりませんが、眼が開くようになるにつれて二重まぶたが狭くなっています。まぶたの上の方の3重瞼やサンケンアイ(まぶたのくぼみ)も改善しています。
眼瞼下垂の手術では、まぶたの内側を十分に挙げることが綺麗な眼の形になる秘訣です。
まぶたのタルミは年々少しづつ進行しますので、いずれ眉下切開によるタルミとりを検討してもよいでしょう。
眼瞼下垂 術後の経過
両側の眼瞼下垂症(R<L)
ハードコンタクトレンズの使用30年以上。眼瞼下垂に加えて、まぶたは少しタルんでいます。サンケンアイ(まぶたのくぼみ)が気になります。MRD1mm。
いちのせ式(4点留め)部分切開法眼瞼下垂症手術
手術のデザイン
片目ずつ(眼瞼下垂が重度な側から)、約15mmの皮膚切開から挙筋前転を行います。手術は局所麻酔で約15分で終わります。
手術直後
局所麻酔による腫れがあります。数日間は眼帯で隠して、内出血がひいてきたらメガネでカバーして仕事を休まずに乗り切ります。
術後7日
腫れがひくにつれて軽く眼が開くようになりました。内出血はごくわずかに残り、少しむくみが残る程度です。抜糸を行いますが、簡単に済みますので心配無用です。
術後14日
ほぼむくみがなくなった状態で、周囲から見て手術を受けたことがわからなくなっています。この日にもう片方の眼瞼下垂の手術もしています。
術後4カ月
内側と外側の両方がキレイに上がり、三角目にならずに仕上がりました。まぶたは軽く開くようになり快適で特に問題はありません。
サンケンアイは改善しています。他人から見て手術のあとはほぼわからなくなりました。
術後4カ月
15mmの傷跡(赤いカッコの部分)は、二重のラインに隠れて目立ちません。
いちのせ式4点留め部分切開法眼瞼下垂症手術は、患者さんにとって受けやすい術式とするために様々な改良を重ねて参りました。今、強くおすすめできる術式です!
眼瞼下垂 手術 画像 50才代男性
もともと左右差がある症例でしたが、片側づつ手術を行い左右均等な瞼裂となりました。
<術前>MRD R=0.5mm L=0mm>
<術後>MRD R=4mm
L=4mm>
男性の眼瞼下垂手術症例は増加しています。
※症例写真の手術の費用とリスク・副作用・合併症
<費用の目安>
保険適応K219-2 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)
<主なリスク・副作用>
傷跡、瞼裂の左右差、ふたえまぶたのラインの乱れ、兎眼、まぶたの変形、ドライアイ、視力変化など
挙筋の力が弱い方に-前頭筋吊り上げ術
当院では、原則的に4点留め(4点留め)部分切開法眼瞼下垂症手術を行っていますが、眼瞼挙筋の筋力が十分にない場合は前頭筋吊り上げ術を選択しています。
眉毛のを動かす筋肉に吊り上げなんて?と思われるかもしれませんが、思いのほか良い結果が得られますので、症例によってはお勧めできる方法です。
おすすめする術式
前頭筋吊り上げ術(縫合糸)
※眉毛の上と、二重まぶたのライン付近に切開を行って、縫合糸を通して埋め込みます。
ゴアテックスやナイロンの縫合糸で前頭筋に吊り上げます。
糸の種類について
縫合糸による吊り上げは、局所麻酔で手術できる年齢以降、12才~成人に対して第一にお勧めできる方法です。当院では、吊り上げ用の縫合糸にゴアッテクス糸を使用していましたが、8年前からナイロンの編み糸縫合糸に変更しています。ナイロンの方が長期的により良い結果を得る感じがします。縫合糸は術後に縮むことがほとんどなく、吊り上げの調整が容易です。術後に縫合糸の長さを調整してまぶたの開き加減を調整することも可能です。
筋膜移植について
筋膜移植は子どもの眼瞼下垂に良く用いていましたが、成人には原則として用いません(縫合糸の方が優れていると考えるからです)。筋膜は術後の縮みを考慮して移植する必要があるため、熟練した眼瞼下垂の名医しか扱うことができないような取り扱いが難しい材料です。
糸吊り上げの欠点
縫合糸といってもやはり異物なので、眉毛の上の傷あとから露出することがあることです(経験上は1/20人程度の割合)。もしも術後に縫合糸が出てきた場合には、縫合糸の入れ替えなどを検討します(術後数か月以上経過している場合には縫合糸をを抜いても、まぶたが下がらないことは良くあります)。
眼瞼下垂 手術 画像 前頭筋吊り上げ 50才代男性
左の先天性眼瞼下垂に対し、縫合糸(ナイロン編み糸)による吊り上げ術を行いました。
左右差が少なく、自然な形状に仕上がっています。
※症例写真の手術の費用とリスク・副作用・合併症
<費用の目安>
保険適応K219-1 眼瞼下垂症手術(その他のもの)
<主なリスク・副作用>
傷跡、瞼裂の左右差、ふたえまぶたのラインの乱れ、兎眼、まぶたの変形、ドライアイ、視力変化、糸の脱出など
眼瞼下垂 術後トラブル&対策
眼瞼下垂の手術においては、失敗といえないものの色々なトラブルが付き物です。
当院の眼瞼下垂手術でも、大きなものから小さなものまで色々なトラブルが生じます。トラブルを失敗にしないためには対策を出来る限り講じます。
眼瞼下垂の代表的なトラブル
1.眼瞼下垂の挙上度の問題(文献的には約20%程度生じる)
- 低矯正 過矯正 三角目 ワニ目 つり目 まぶたが重い・開きにくい 視野が狭い
2.開瞼困難(まぶたが開き難い)に伴う症状
- まぶたが重い、眼精疲労、眼の奥の痛み・目の周囲の痛み、頭痛 肩・首の痛み まぶしさ 眠さ等)
3.まぶたの違和感
- 涙の異常 まぶた・目の表面の痛み・違和感
4.二重まぶたの問題
- 二重まぶたの乱れ、左右差、 二重まぶたが狭い/広い、三重まぶた、3重まぶた、外側が三また
5.まぶたのタルミ
- まぶたのかぶさり、まぶたが重い、二重まぶたのかぶさり
6.表情の変化
- ひたいのシワ(が治らない)、眼の上のくぼみ 眼の下の眼袋 眼のクマ 疲れて見える 元気がない顔 怖い(冷たい)表情
対策
眼瞼下垂の挙上度の問題
当院での手術においても、約5%の患者さんで低矯正(開き不足)を生じます。過矯正(開きすぎ)は約0.01%です。
全体的に過矯正ではなくても、外側がつりあがった(または内側が下がっている)つり目・ワニ目は多く見られます。
治療は傷を開いて眼瞼挙筋の固定や癒着を完全にはずして修正を行います(保険適応)。修正の時期は術後6か月以降になります。
眼瞼下垂の術後のまぶたの開き具合がほぼ決定するのは6か月後です。ので、著しい過矯正/低矯正以外は待ちます。それ以前に修正を行うと、裏目に出たり上手くいかないリスクが増します。あせる患者さんの気持ちはわかりますが、じっくり待つ方が良い結果に結びつきます。
まぶたが開き難い
眼瞼下垂の低矯正によるもの:眼瞼下垂の修正になります(保険適応)。時期は術後6か月後以降になります。
眼瞼痙攣によるもの:眼瞼痙攣がもともとある患者さんです。低矯正ならば眼瞼下垂手術をもう一度行います(保険適応)。時期は術後6か月後以降になります。低矯正でなければ、閉瞼筋をゆるめる手術(保険適応)、ボツリヌストキシン注射、下眼瞼下制筋手術(保険適応)などを検討します。上まぶたのタルミ取りが有効な場合もあります。
まぶたの違和感
まぶたに「膜が張ったような感じ」「何か少し引っかかる感じ」など、症状としては強くないけど違和感を感じることがあります。このような違和感は、原因が明らかでないことが多く治療は簡単ではありません。
まぶたの裏側から糸が露出している場合には、抜糸ができれば違和感は減るでしょう。過去に埋没法の二重まぶた手術をされた方は、その糸の一部が出ていることがありです。
もともとの眼瞼下垂の程度が高度の場合には、腱膜の前転によりまぶたの裏側の結膜がたわみますので、結膜の処理で改善することもあります。
二重まぶたの問題
眼瞼下垂の手術の手術を行うと、出来上がりの幅や二重まぶたは術前術後で大きく変化します。
特に過去に埋没法二重まぶた手術を受けた方は二重まぶたのズレが生じ易く、時には同じ場所を切開しているはずの傷あとの位置にも左右差が生じることがありますが、これは二重まぶたを留めている糸が切れるため引っ張られ具合が変化するからです。
眼瞼下垂の術後の二重まぶたの幅や形がほぼ決定するのは6か月後です。二重まぶたの修正を行うとすると6か月以降になります。それ以前に修正を行うと、失敗するリスクが増します。
なるべく望みの位置に二重まぶたを作りたい方には、眼瞼下垂と同時に行う二重まぶたの再構築法(保険適応外)をお勧めしています。
まぶたのタルミ
眼瞼下垂とまぶたのタルミは異なります。眼瞼下垂の方のまぶたからはタルミがひたいに逃げているため、患者さんは意外にタルミが気になっていない患者さんが実は多いのです、もし眼瞼下垂を治すと、眉毛が下がることでまぶたのタルミが増すことになります。
まぶたのタルミはうまく計算して取らないと(→参照ページへ)、二重まぶたや表情が変わってしまいますので注意が必要です。(保険適応外)。
手術時期は通常は6か月後ですが、眼瞼下垂の傷の治り具合によっては3か月後に行うこともあります。
表情の変化
患者さんは眼瞼下垂のために大きく表情が変化しています。すなわち、眼瞼下垂を治すと本来の表情に戻ります。その表情が良いと思うか、良くないと思うか、術後にならないとはっきりとはしません
最も表情を変えるのは術後に眉毛が下がることです。手術で額を引き上げたり眉毛を上げることは可能です(保険適応外)。
眼瞼下垂 よくある質問
Q.手術はどれくらいの時間がかかりますか?
A.部分切開法では局所麻酔で片眼10-15分で手術が終了です。
(※修正手術では30分以上かかることもあります)
Q.芸能人が眼瞼下垂手術で変なまぶたになっていますが、部分切開法ではなりませんか?
A.術式が違うため大きな心配は不要です。
全切開法では、特にまぶたが腫れぼったい人ではまぶたが変形してしまうことがありますが、小さな切開で行う部分切開法ではまぶたの変形は最小限です。部分切開法は、まぶたの皮膚を切除しないために大きくまぶたの構造を大きく変化させることがない術式です。
当院では原則的に部分切開法で行います。
Q.抜糸までの期間は?
A.目立ちにくく溶ける糸で(1週間以降にはずれ易く)縫合しますので、必ずしも抜糸は必要ではありません。
溶ける糸でも正しく用いれば傷あとはきれいになることを実証していますので、ご安心下さい。
Q.何回くらい通院の必要がありますか?
A.1.神戸・大阪など近隣にお住まいの方
眼瞼下垂の手術後の最初の検診は,通常1週間後です.あとは1か月後と4か月後に検診して問題なければ終了です.
2.遠方にお住まいの方
大阪・兵庫より遠方の方は、抜糸なしで術後の検診を1か月後にすることも可能です(経過に問題なければその後の受診を省きます。)
Q.仕事をどれくらい休む必要がありますか?
A.部分切開法眼瞼下垂手術では平均的な腫れは2日~10日程度です。翌日より眼鏡でカバーして職場復帰可能なほど腫れが少ない方もありますが、3日間程度ある程度の内出血は覚悟しておいてくださいね。片眼づつ手術すれば、3日間程度は眼帯で隠して後はメガネでカバーすることで仕事を休まない方が大部分になっています。
参考までに、当院のスタッフにおいても半数近くが眼瞼下垂症手術を受けていますが、翌日より通常通り勤務しています。
Q.皮膚のたるみが多いと思うのですが、術式はどうなりますか?
A.ほとんどの眼瞼下垂で部分切開法で問題ありません。特に脂肪切除などや二重(ふたえ)をきれいに入れると、たるんだ感じは少なくなります.必要があれば将来的に眉下切開などの皮膚切除を検討して下さい。
Q.全切開法を受けたいのですが?
A.全切開法は手術のマグニチュードが大きく、大変な術後になりがちなのでおすすめはしません(20年前まで第1選択としていました)。腫れや変形によるダウンタイムが思いの外大きくなることがあります。
眼瞼下垂の患者さんにはなるべく部分切開の手術を受けて頂いた方が良いと思いますが、全切開法がぴったり適応する方もまれにおられますのでご相談下さい。
Q.切らない眼瞼下垂の手術を受けたいのですが?
A.切らない眼瞼下垂は、怖くない眼瞼下垂の治療として患者さんにとって魅力的に見えます。が、当院ではお勧めしておりません。
その理由は、切らない眼瞼下垂では必要なだけ腱膜を修理して良好な形状に仕上げることが難しいためです。切開して行ったとしても必要な部分の剥離が行われなければ良い形状のまぶたにはできないものですので、切開しなければまず不可能であると言えます。再オペの場合はさらに困難です。
また、切らない眼瞼下垂が長期に持続しないのは埋没法二重整形と同様です。
部分切開ならば、切らない眼瞼下垂の欠点を克服できますので、部分切開を検討して頂きたいと思います。
Q.眼瞼下垂の手術で頭痛・肩こりはどれくらいの効果を見込めますか?
A.経験的には、偏頭痛の7割程度の方が改善します(完全に無くなる方も少なくありません)。肩や首のこりや目の奥の痛みなども同様に改善が期待できます 。
Q.高齢の母の手術では入院可能でしょうか?
A.入院可能です(いちのせ形成外科と同じビルの新都心病院:兵庫県神戸市尼崎潮江1)。ですが、部分切開法ですと手術は短時間で済み低侵襲ですので、高齢の患者さんでも通常は入院を必要としません。心配な場合はご相談下さい。(→新型コロナウイルス流行の影響のため、現在入院が必要な方の治療の受け入れを中止しています)
Q.健康保険適応での手術ができますか?
A.眼瞼下垂ならば保険適用可能です(手術適応がある場合)。
Q.自然なふたえまぶたができますか?
A.眼瞼下垂の手術と二重整形の手術は似ている様に思うかもしれませんが実際は違う手術です.眼瞼下垂の手術のみでは、二重まぶたをきちんと作るには術式が不足します。
眼瞼下垂では術後にふたえまぶたが乱れることがあります。その理由は、生まれつきまぶたの中にはひとえやふたえをつくる内部構造があるため、眼瞼下垂の手術でふたえを固定しても術後にまぶたの一部または全部がもとの姿に後戻りすることによる乱れが生じるためです。そのため、左右同じ部位を切開して固定したとしても、違う二重の幅になったりします.
狙った位置に二重まぶたを作りたい場合には、もともとのまぶたの内部構造を一旦崩して0(ゼロ)からまぶたの内部から二重まぶたを作り直す二重まぶたの再構築手術(=二重整形手術)の手術を加えます。二重まぶた手術は保険適応外になり、手術時間は眼瞼下垂手術の2倍ほどの手術時間になります(眼瞼下垂と二重整形をあわせて両目で1時間ほど)。
「自分の好みの二重まぶた」「自然な印象の二重まぶた」「左右差が少ない二重まぶた」などご希望される方には、眼瞼下垂の手術と同時に二重整形手術を追加することも可能です。しかし、保険適応の眼瞼下垂手術を受けてその結果ふたえまぶた問題が生じて自分で気になる場合にのみ、後で二重整形を行うことも可能です。
Q.左右の目の大きさをぴったりあわせることができますか?
A.眼瞼下垂手術においては、現在のところどのような方法を用いても100%正確にまぶたを挙げることができません。(世界の名医といわれる先生方による論文においても、眼瞼下垂の手術約20%程度にまぶたの開きのずれが生じるとされています。)。このずれにより、過矯正(開きすぎ)、低矯正(開き不足)や開きの左右差が生じる患者さんがおられますので、手術の失敗というものではありません。眼瞼下垂手術が上手な先生方はこのずれが生じることを経験から良く知っており、ずれをなるべく少なくするように工夫をして手術にあたっています。
Q.左右の大きさを合わせる工夫は?
A.当院においては、眼瞼下垂の重症度、眼瞼挙筋の筋力、まぶたが開き難い自覚症状などにより独自に作成した計算式を用いて、眼瞼挙筋の修理をします.最新の計算式(version
2)では、もともと左右差がある場合において90%以上の確率で左右差なく治療することが可能です。この計算式は一瀬が作成したものですが、臨床の結果から随時改良を加えております。
術中所見により若干の修正を加える必要がありますので、最終的に決定するのは術中になります。
Q. 術後の不具合-修正手術について
A.当院の眼瞼下垂手術においては、5~10%にまぶたの過矯正(開きすぎ)、低矯正(開き不足)や開きの左右差が生じます.過矯正や低矯正の修正はほとんどの場合で可能(通常は保険適応)ですが、左右差がほぼ確定する6か月程度は原則的にお待ち頂くことになります。術後数か月で再手術を行うと手術を行い難いだけでなく、再度ずれが出やすいために焦りは禁物です.ただし、眼が閉じにくくて眼球が乾いて目の表面に傷が入るなど緊急事態の場合には早期に修正手術を検討しますので、定期検診は必ず受けて下さい。
二重まぶたの左右差やまぶたのタルミについても修正可能です(保険適応外).
Q. 眼瞼下垂の手術でワニ目・三角目になる理由は?
A.眼瞼下垂の手術はそもそも視野を確保するために、まぶたの中心の瞳孔を出すようにする治療です。しかしまぶたの中心をあげると真ん中が上がった三角目△になります。まぶたを挙げる筋力としてはまぶたの外側の方が強くなりやすいので、外側がつりあがった三角眼=ワニ目になりやすいのです。
当院の眼瞼下垂手術においては、通常より多い腱膜4点留めをもちいて、黒目だけではなく目頭側と目尻側の白目の部分を挙げるようにして、ワニ目を防いでキレイなカーブを作るように心がけております。
Q.逆まつげが治りますか?
A.眼瞼下垂の手術を行うことで逆まつげが改善することはあります。ですが、さかまつげ手術は基本的には眼瞼下垂とは違う手術であり、切開する部分も異なります。眼瞼下垂の手術後に逆まつげが気になる場合には、眼瞼内反症手術を行います(保険適応)。
Q.眼瞼痙攣かもと言われたのですが?
A.眼瞼下垂に眼瞼痙攣を合併することはしばしばみられます。眼瞼痙攣とは、閉瞼筋が緊張してまぶたを閉じる力が強くなりすぎる状態であり、眼瞼下垂と同じくまぶたが開き難くなる病気です。軽いものも含めれば日本に1000万人以上の患者さんがいると考えています。
眼瞼痙攣の症状は、”まぶしい”
”眠い” ”ドライアイ””目の痛み”です。
眼瞼痙攣の原因はまだよくわかっておらず、治療法も確立していません(対症療法であるボトックス治療やいくつかの手術法:閉瞼筋切除;眼瞼下垂治療の名医である松尾先生が考案されたADM手術や下眼瞼下制手術など)。眼瞼下垂は手術を適切に行うと比較的簡単に治りますが、眼瞼痙攣はなかなか治らない頑固なものが多くみられます。
治療が難しい眼瞼痙攣なのですが、眼瞼下垂の手術は眼瞼痙攣に有効です。眼瞼下垂の手術を行えば、半数を超える方において眼瞼痙攣も治ってしまうことを確認しています(学会においても有効であることが報告されています)。しかし、やはり眼瞼痙攣が頑固に治らない方は少なくありません。眼瞼痙攣が治ればまぶたは軽く調子よくなりますし、眼瞼痙攣が治らないとまた術前と同じように開き難いまぶたになります。すなわち、眼瞼下垂に眼瞼痙攣を伴う患者さんに手術を行う場合、その成功の鍵は眼瞼痙攣が治るか否かなのです。眼瞼痙攣がある患者さんは、結局は眼瞼痙攣との戦いになります。
当院でも眼瞼痙攣の治療を行っておりますが、全例の治療が出来るわけではない現状です。難治性の眼瞼痙攣の治療をお願いできる先生を大阪・神戸でさがすのは難しいため、世界的な眼瞼下垂・眼瞼痙攣の名医の松尾清先生(→松尾形成外科 眼瞼クリニック
浜松市)にご相談されることをお勧めすることもあります。
Q.ADM手術を行っていますか?
A.眼瞼痙攣に対してADM手術が報告されていますが、当院では施行しておりません。ADM手術に関する有効性などのお問合せに対しては当院では対応することが出来ませんので、ADM手術を実際に行っている医師へのご相談をお願い申し上げます。また、ADM手術後に元に戻して欲しいとのご相談がありますが、当院では承ることができません。
Q.”まぶしい”のですが、眼瞼下垂が原因でしょうか?
A.まぶしく感じるのは、身体が神経的に眼を閉じさせようとして閉瞼筋を緊張させている状態で、これに逆らって眼を開けていることが非常に難しい状態です。いわゆる眼瞼痙攣です。なぜ眼を閉じさせようとするかその原因として代表的なものは、眼瞼下垂、眼瞼皮膚弛緩(まぶたのタルミ)、逆まつげやドライアイなどがあります。眼瞼下垂においてまぶしく感じることがあるのは、眼瞼痙攣を併発しているからです。
眼瞼痙攣では、身体が眼を閉じさせようとする原因を突き止めて治療できれば、まぶしさが軽減するはずです。眼瞼下垂で眼瞼痙攣を併発している場合、臨床的には眼瞼下垂を治すと50%以上の確率で眼瞼痙攣が軽減します。
Q.コンタクトレンズの使用について
A.ソフトコンタクトレンズは1週間後より装着可能です。眼鏡を使うことができない方は、使い捨てのソフトレンズならば手術翌日から装着してください。ハードコンタクトレンズも1週間後より装着可能ですが、将来の眼瞼下垂の再発の可能性は高くなります。ハードコンタクトレンズは、眼瞼下垂の術後はスポイトを用いて外して頂く必要があります.
眼瞼下垂以外の”まぶたが開き難い病気”について
まぶたが重い病気には眼瞼下垂以外にもいくつもあり、眼瞼下垂手術一辺倒だけでは良い結果とならないことが良くあります。
まぶたが開き難いの重みの原因を明らかにして治療する必要がありますが、病態把握が非常に難しいことが多く、治療に難渋することが少なくありません。
特に眼瞼痙攣は多くの方がかかる病気で、とても厄介な病気です。「眼を閉じていた方が楽」が特徴的で、当院では、「まぶしい」「眠い」「ドライアイ」を3大症状と考えています。
当院の眼瞼下垂の患者さんの半数程は、程度の差があれ眼瞼痙攣に罹患しています。
まぶたが開き難くなる疾患(眼瞼下垂除く)
当院では、眼瞼下垂手術だけでなく、これらの病気についても治療の相談を致します.
(眼瞼痙攣に対する眼輪筋切除・下眼瞼の手術、内服治療、ボツリヌストキシン注射なども行います。)
まぶたのタルミの手術は眼瞼下垂とは違う
眼瞼下垂は、主にまぶたを開く筋肉がゆるむ、もしくは筋力が弱いためにまぶたの開きが悪くなる病気です。眼瞼下垂の手術は、まぶたを開く筋肉の修理を行い、タルミや腫れぼったさの治療とは目的も方法も異なります。
まぶたのタルミ取りにおいては、望ましくない変形や表情になってしまわない様にいろいろな点をきちんと計算してやる必要があります。
当院では、まぶたのタルミの手術も行っております(※保険適応外)。 当院のまぶたのタルミ治療は、ほとんどの症例で眉下切開が用いられます。
まぶたのタルミの術式
眉下切開
(眉下リフト、眉毛下皮膚切除)
「まぶたの自然なタルミ取り」
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- (※まぶたの性状によりますが、いくつかの術式を組み合わせることで自然なタルミ取りに仕上げることができます。)
- →眼瞼内側皮膚切除/目頭切開(まぶた内側のかぶさりの治療)、眉毛固定(眉毛を上げる)、コルゲータ切除(眉間の皺の治療)、脱脂術(腫れぼったいまぶたの治療)、眉下皮膚移植(サンケンアイの治療)、目尻笑い筋手術 など
眼瞼下垂 他院手術修正 歓迎!
眼瞼下垂の修正手術
当院では、他院での眼瞼下垂手術後のトラブルの修正手術を承ります。眼瞼下垂手術においては、失敗とは言えないまでも様々な不満足な問題が生じやすいものです。
眼瞼下垂の手術後のトラブルの多くが修正可能です(眼瞼痙攣を合併していると治療は難しくなります)。
あきらめずに一度ご相談下さい
(もちろん当院で行った症例についても修正致します)
眼瞼下垂術後のトラブルいろいろ
- まぶたが開きにくい
- まぶたの開きの左右差
- まぶたの開き不足
- まぶたの上がりすぎ(兎眼)
- びっくり目
- 外側が上がった眼(爬虫類の様な)
- 三角眼(吊り上がった眼)
- 目つきの変化(怖い・きつい表情になった)
- 二重の左右差・乱れ
- まぶたのタルミ
- まぶたのくぼみ
- まぶたの形が何となく変
- 丸い眼になった
- etc....
※原因別にみますと、以下の4つに分類できます。
①眼瞼下垂自体の治療が上手くいっていないケース(まぶたの開きすぎ・開きが悪い・三角目など)
②
二重まぶたなどまぶたの形に問題があるケース(眼瞼下垂の治療は上手くいっているが)
③ 上の①②の両方に該当するケース
④まぶたの周囲(眉毛の高さなど)に問題があるケース
診察を行い、それぞれの状況に合わせて修正戦略を練ります。
(もちろん当院で行った症例についても修正致します)
(※保険適応可能:眼瞼下垂の治療が上手くいってないケース)。
眼瞼下垂 名医の条件とは
名医は眼瞼痙攣を理解する
一般的な名医の条件は、診断力および手術遂行力が高い先生です。しかし、これだけでは眼瞼下垂の名医とは言えません。眼瞼下垂には難敵である「眼瞼痙攣」が潜んでおり、眼瞼下垂の治療の成功を邪魔します。眼瞼下垂の上手な治療は、眼瞼痙攣をを理解して望まないと達成できません。
眼瞼下垂で問題となる眼瞼痙攣とは?
眼瞼痙攣なら知ってる!とおっしゃる先生がほとんどだと思いますが、眼瞼下垂の治療で問題になる眼瞼痙攣は、医学書に記載されている様な典型的な疾患とは様子が異なります。
まぶたの開きは、目を閉じる筋肉の具合によって大きく影響されます。閉じる筋肉は、目を開く筋肉より閉じる筋肉が何倍も力が強いのです。そのため閉じる筋肉が緊張しているとまぶたは開き難くなってしまいます。閉じる筋肉の緊張が大きすぎて開きが抑えられてる状態、これを眼瞼緊張亢進症=眼瞼痙攣と呼んでいます。
眼瞼下垂の患者さんの多くが、程度の差はあれ眼瞼痙攣にかかっています。
日によりまぶたの状態が変化するのは何故?
まぶたを開く筋肉の状態が同じくらいだとしても、眼瞼痙攣の程度により目の開きは大きく変化します。眼瞼痙攣が少しでもあれば万年眼精疲労が続き、二重まぶたも含めて他人から見て魅力的なまぶたに見えません。
眼瞼痙攣は、例えば体や目の疲れ具合などで強さが違うのも特徴です。まぶたの状態が日によって、時間によって違うことを感じる時は、眼瞼痙攣にかかっている時が多いです。
眼瞼痙攣に対応した治療
眼瞼痙攣が治れば、眼瞼下垂の治療は大成功で、万事うまくいくと思って差し支えありません。私は、術後には患者さんの顔をみて、目を閉じる筋肉の強さを評価します。 「調子いいみたいですね。」と声をかけますが、これは眼瞼けいれんが治って万事うまくいっているいることを診断したということなんです。
眼瞼けいれんが治らなければ、何かと調子の悪いまぶたになります。何か追加の治療を検討しなければいけないこともあるかもしれません。当院では初回手術において、眼瞼痙攣の有無で手術方法を変えています。
眼瞼痙攣の治療では、眼瞼痙攣に対応して治療を考えることができる医師が眼瞼下垂の名医であると考えるのですが、私が知っている限り少数です。
医師選びのコツ
遠方より来院頂いた患者さん方は、「何を根拠に良い医師をさがしてよいのかわからないからとりあえず来てみた」とよくおっしゃいます。 眼瞼下垂の治療は、通いやすい近くの病院で行うのがベターです。
上記の「眼瞼痙攣」、つまり眼瞼下垂の患者さんの多くが程度の差はあれ眼瞼痙攣にかかっていることを理解している医師は近くにおられませんでしょうか?それが眼瞼下垂の名医の必要条件にはなると思います。
眼瞼下垂の治療を考えておられる皆様、医師選びの参考にしていただけると幸いです。
眼瞼下垂 修正手術 よくある質問
Q.修正手術の受診において必要な情報は?
A.何年頃に手術を受けたのか最低限その情報は必要ですが、覚えているだけで結構です。
Q.どの先生の手術でも修正可能ですか?
A.可能です。眼瞼下垂の修正手術では、いくつかの”傾向と対策”があります.ほとんどの症例がその傾向と対策に当てはまります。
修正に骨が折れる先生も確かにありますが、各医師の手術のクセがありますのでそれを踏まえて治療します。
神戸・大阪のみならず、関西圏、東海、関東圏のいずれの患者さんの修正手術にも対応しています。
Q.紹介状は必要ですか?
A.紹介状は必ずしも必要ありません。
手術を受けた先生からの診療情報は、手術の背景を理解する参考になりますので、紹介状はあった方がベターです。前回の手術でどのようなことがなされたかは重要な情報ですが、当院での治療において術式を決定するためには、実際に手術を行ってみてその術中所見からどういう手術がなされて問題が生じたのかを確認する必要があります。ですので、当院では紹介状(診療情報提供書)はなくても修正の対応を致します。
Q.修正は何回まで可能でしょうか?
A.修正手術を繰り返し受けられた方もご相談下さい。他の美容外科・形成外科で難しいと言われた方も一度ご相談下さい。
皮膚や脂肪などの組織、そしてまぶたを挙げる筋肉の力がどれだけ残っているかが、修正術の成功の鍵となります。残っている皮膚が少ない場合などは、修正可能になるまで時期をお待ち頂くこともあります。あせって手術を行うことにより、さらに状況を悪くしてしまいます。
Q.傷あとやくいこみの修正で気をつけることは?
A.傷あとの修正に際して、修正に必要な皮膚がまぶたに残っていることが必要です。残っている皮膚が不足していると修正がうまくいきません。そのため修正手術を行う時には皮膚をとにかく大事にすることが重要です。修正手術を繰り返せば皮膚は少なくなっていくことを考えて、少ない修正回数で済むように慎重に術式を検討しなければなりません。
また、傷あとが目立つから切り取ってきれいに縫合すれが綺麗になると考えがちですが、それは実は間違いであったりすることがよくあります。例えばふたえのくい込みなどは通常の傷あと修正では不十分で、傷跡そのものが汚いのではなく溝の凹みが犯人であったりすることが多く、その場合は眼輪筋や脂肪などや周囲の組織を移動して治療を行わないと治りません。移動できる組織が少ない場合には治療が困難となります。
以上の様に、傷あとやくい込みの修正手術には、皮膚や脂肪などの組織が必要です。組織が切除されていて少なくなっている場合には各種の修正手術の難易度が上がってしまいます。ですので、修正手術においても組織を大事にして計画することが重要です。