ワキガ(腋臭症)・腋窩多汗症

ワキガ(腋臭症)・多汗症とは

汗の分泌腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2つがあります。

1. エクリン腺は全身の皮膚にあり、ここからの異常分泌が起こると多汗症となります。

2. アポクリン腺はワキ、乳輪、陰部にあり、アポクリン腺から出る汗と皮膚の常在菌が反応することで匂いを過剰に発した場合、腋臭症(一般的にワキガ)と呼ばれる状態になります。


ワキガ(腋臭症)・多汗症の治療法

多汗症の治療法

<保険適応>

・内服薬(抗コリン薬)、漢方治療

 

<自費診療>

・制汗剤 (当院で調合した収れん作用のある塩化アルミニウムを配合したローション

・ボツリヌストキシン注射

 

腋臭症(ワキガ)の治療法

<保険適応>

・手術(皮弁法)

 

<自費診療>

・ボツリヌストキシン注射

 

手術

<皮弁法>

外科的にアポクリン腺を減らす手術です。(保険適応)

ワキの中央部を切開し(女性約4cm、男性:約5cm)皮膚の裏側にあるアポクリン腺を一本ずつ剪刀で除去します。


手術の流れ

1.診察

診察にて手術の適応を検討します。

 

2.手術日

局所麻酔で片ワキずつ行います。手術時間は1時間程度です。

 

3.術後

ガーゼで傷口を保護し、三角巾を使用して患肢を安静にしていただきます。肘から先は使用できますが腕を挙げたり重い荷物を持つ行為はしばらく控えていただきます。

 

4.経過

術後23日目、術後10日目にそれぞれ受診していただきます。創部が治癒して運動制限がなくなったらもう片方の手術を行います。

Q&A

Q.手術でどの程度においは減りますか?

A.手術でアポクリン腺の90%以上は除去できますが、完全に汗を無くすのは不可能です。最終的な症状の改善は7割程度が目安です。

Q.手術の効果はどのくらい持続しますか?

A.成長期に治療するとアポクリン腺が再生しやすいため多少の再発があります。成人以降では新しいアポクリン腺はほとんど再生されないため術後の状態が維持されるといわれています。
また手術操作で一旦ダメージを受けた組織が術後数ヶ月で回復し、再びにおいが生じることがあります。術後に再発したと感じるのはこれが原因であることが多いです。

Q.傷あとが目立つのが心配なのですが…

A.5cm程度の1本線の傷ですが、ワキのしわに沿うように切るためしばらくすると目立たなくなることがほとんどです。

Q.術後は入浴できますか?

A.手術当日は入浴、シャワー浴は控えていただきます。翌日以降は患部以外のシャワー浴が可能です。3日目以降は患部を避けての半身浴が可能となります。全身浴に関してましては抜糸後の経過観察にて医師が判断します。

Q.術後の固定がつらいと聞いたのですが?

A.当院では比較的緩やかな固定(縫合糸による皮膚の固定)にとどめています。厳密なガーゼによるタイオーバー固定などは行いません。

ボツリヌストキシン 注射

<ボツリヌストキシン注射>

汗の量や匂いが気になる部位の皮膚直下に注射します。ワキだけではなく、顔面や頭皮などにも注入可能です。(自費診療)

アセチルコリン作動性のエクリン腺に作用することで汗の分泌を減少させる治療です。(持続期間:3-6ヶ月)