顔の美容外科とまぶたの専門治療
ケロイド・肥厚性瘢痕
ケロイド・肥厚性瘢痕とは?
肥厚性瘢痕・ケロイドとは、傷が治る過程で異常が起こり、傷跡が馴染まず赤く盛り上がったり痒みや痛みを伴うものをいいます。 病変の緊張が強い場合には、引きつれや運動障害が生じます。 ケロイドと肥厚性瘢痕は、以下の様に区別されます。
ケロイドとは
ケロイドは元の傷を超えてさらに増大傾向がみられることが多く、これによって毛穴が塞がれると毛嚢炎や表皮嚢腫を形成することがあります。 ほとんどの治療が保険適応となりますが、とても頑固で治りにくいものです。
肥厚性瘢痕とは
活動性はケロイドより低く、元の傷を超えることがありません。比較的軽いケロイドと考えて差し支えありません。ケロイドと同様にほとんどの治療は保険適応です。
ケロイド・肥厚性瘢痕の治療
- 1.内服薬
- 内服薬のみで完治することは難しいですが、炎症を引き起こす物質を減らすことにより痒みを落ち着かせたり、病変の拡大を抑えたりする効果があります。また毛嚢炎や表皮嚢腫による感染を起こしている場合は抗生物質の内服が適応になります。
- 2.外用薬
- ステロイド含有のテープ剤を使用していただきます。 軽度の肥厚性瘢痕やケロイドではこれのみでほとんど目立たなくなることもあります。ケロイドが服にこすれておこる痛みや痒みはテープ剤にてある程度コントロール可能です。
- 3.注射薬
- ステロイド剤(ケナコルト)の局所注入による治療です。 硬い病変やツッパリ感のある病変に特に効果的です。月1回程度の間隔で数回の施術が必要となります。
- ステロイド剤がケロイド本体ではなく、周囲の皮下組織に効いてしまうと皮膚の萎縮により陥凹が生じたりしやすいので、注意が必要です。
- 4.手術
- 上記(1~3)の治療で効果不十分の場合は、手術をお勧めさせていただきます。
- 病変を切除し単純に縫い寄せるだけでは、肥厚性瘢痕やケロイドが再発しやすいため、局所皮弁術(特殊な切れ込みをいれて縫い寄せる方法)を組み合わせることにより再発のリスクを低下させます。
- ケロイドの場合は再発し易いため術後に電子線照射を追加する場合も多く、その際は近医の放射線科と連携して治療の計画を立てていきます。
ケロイドの症例写真
1. 手術前
ピアスホールに出来たケロイドです。
感染が起きたのに放置しておくとケロイドになり易いものです。
2. 手術後
ケロイドに部位や大きさによって、皮弁形成術なども行います。
変形を生じない様に手術を行うのがコツです。
3. 手術後(抜糸後)
※ケロイドの場合再発しやすいため、再発防止には電子線照射が有効です。
Q&A
Q.耳に複数個のケロイドがある場合、手術は可能ですか?
A.可能です。診察して治療計画を立てさせていただきます。
Q.耳のケロイドを切除したらピアス穴はなくなりますか?
A.残せる場合もありますので、ご希望があれば仰ってください。