いちのせ式目頭切開

目頭切開の対象

従来の目頭切開の術式では十分にできなかったことが、「いちのせ式目頭切開」で実現できるようになりました。

  • 目を大きくしたい
  • 離れ眼を治したい(眼と眼の間の距離を狭くしたい)
  • きつい眼の印象を緩和したい
  • 蒙古ヒダ(まぶた内側のかぶさり)を取りたい
  • なるべく眼と眼の間の距離を狭くせずに蒙古ヒダを減らしたい
  • 平行型の目にしたい
  • 内側のかぶさりのないやや末広がりの眼にしたい
  • 丸い目頭を、鋭角の目頭にしたい
  • 下向きの目頭を横方向に変えたい
  • 目頭から斜め下向きに入る線(蒙古ヒダの続き)を消したい
  • 目頭に目ヤニや化粧が詰まるのをなくしたい
  • 傷あとをなるべく目立たない様にしたい

術式の詳細

いちのせ式目頭切開A法

オリジナルの術式で、目頭を内側にひっぱらずに蒙古ヒダを直接切除します。目頭の縁を切開するため傷跡は目立たない位置に入り、術後のダウンタイムは少なくなります。 蒙古ヒダの眼輪筋を処理することにより、術後の後戻りが少なく目頭の形も自然な仕上がりとなり、”眼が大きく見える”術式です。

韓国美容形成外科学会総会(2015 ソウル) 招待講演で報告
神戸大学美容外科 一瀬晃洋

(内眼角靭帯の強い固定を行う「いちのせ式目頭切開B法」は、小児の先天疾患の瞼裂狭小症候群に向いています。)

症例写真 いちのせ式目頭切開A法

①目頭切開単独で行う場合と、②二重整形手術と組み合わせる場合があります。

※組み合わせる二重整形手術は部分切開法をお勧めしています。

※まぶたは内側に広がる形になりますので、腱膜固定を行って内側を挙げる様にした方がバランスの良いまぶたの形になり、優しい印象のまぶたに仕上げることができます。

※この目頭切開法A法ですと蒙古ヒダが無くなりますので、二重まぶたの目頭付近は希望する位置に入れることが可能になります(平行型&末広型)。最近は目頭の被さりの無いやや末広がりの二重まぶたが一番人気がある様です。ただし、内側が蒙古ヒダの下に入り込む二重整形を希望する場合には蒙古ヒダを少し残さなけければなりません。


目頭切開単独施行

目頭切開単独症例  いちのせ式目頭切開の症例写真(ビフォーアフター)です。
手術後約4か月

(術前)
他医の目頭切開後に、傷跡だけ生じたとのことです。蒙古ヒダの張りが強く、目頭切開後でもほぼ完全に残っています。

(デザイン)
いちのせ式目頭切開は、傷跡を中に入れ込むようにデザインすることが出来ます。(蒙古ヒダを、大きく横に引っ張るのではなく、奥に押し込む様にして除去します)

(術後)
傷あと:仕上がりの目頭の傷あとは眼の縁に位置するために目立ちません。
蒙古ヒダ:なし 内側のかぶさりのないすっきりとした二重まぶた
※蒙古ヒダの張りが強い方は、横幅が狭いだけではなく蒙古ヒダ部がもりあがっていて眼が小さく見えます。いちのせ式目頭切開で蒙古ヒダを除去すれば、眼が前方に出るために(横幅が広がった分よりも)大きくキレイに見えます。

目頭切開の費用とリスク

目頭切開術(単独) 200000円(税別)
主なリスク/合併症:傷跡、瞼裂の左右差、ふたえまぶたのラインの乱れ、兎眼、まぶたの変形、ドライアイ、視力変化など


目頭切開+二重整形

いちのせ式目頭切開の症例写真(ビフォーアフター)です。二重整形も同時に施行。
手術後約2か月

目頭のかぶさりのないやや末広がりの眼で、大きな優しい印象のまぶたに仕上げることが出来ました。

片目づつ別々の日に手術をしていますが、二重まぶたの左右差は少なく仕上がっています。術後2か月ですので目頭の傷あとはまだわずかに赤いですが、ノーメイクで目立ちません。

腱膜固定のおかげでまぶたが軽く開くようになり、頭痛や肩こりがずいぶん減って快適になりました。

<術後の経過>

いちのせ式目頭切開の症例写真(ビフォーアフター)です。術前です。

手術前(左)
重たくかぶさっているまぶたを、すっきりとした優しい印象の二重まぶたに変えることが希望です。蒙古ヒダは目頭の下2mmくらいまで伸びています。特に右のまぶたが開き難く感じています。まぶた片頭痛+、肩こり+。

いちのせ式目頭切開A法

いちのせ式目頭切開+部分切開法二重整形手術デザイン

手術のデザイン
片目ずつ(眼瞼下垂が重度な右側から)手術します。目頭切開は正面から見て1mm内側に新目頭の頂点を作るようにデザイン。(もしも目頭を大きく切りたい場合は1.5mm切開、控えめの切開が希望の場合は0.7mm切開、なるべく目と目を寄せたくない場合は0.5mm切開です)。二重まぶたは右の約15mmの皮膚切開から再構築法で作成し、4点留めの挙筋前転を追加して①まぶたを開き易く&②まぶたの枠の形を変更して優しい印象にします。眼窩脂肪の脱脂およびROOFを少し切除してまぶたの腫れぼったさを改善します。目頭切開、二重整形と腱膜固定あわせて、局所麻酔で約45分かかります。

いちのせ式目頭切開+部分切開法二重整形手術 手術直後

手術直後
局所麻酔の液の注入による腫れがあります。数日間は眼帯で隠して、内出血がひいてきたらメガネでカバーして仕事を休まずに乗り切ります。

いちのせ式目頭切開+部分切開法二重整形手術 手術直後 手術後7日

手術後7日
腫れがひくにつれて、眼の開きはまだ完全ではありませんがまぶたが軽くなった様に感じています。内出血はごくわずかに残り、少しむくみが残る程度です。目頭切開の傷あとが赤いうちは、予定より大きく切開されたと感じるかもしれませんが、赤みが引いてくれば予定通りの切開であることがわかります。術後7日で抜糸を行いますが、目頭の一部と二重まぶたの調整の糸を1か月間残します(透明な糸を使うので肉眼ではほとんどわかりません。お化粧もできます)。

いちのせ式目頭切開+部分切開法二重整形手術 手術後1か月

手術後1か月
むくみがかなり引きました。目頭がまだ少し赤いですが、薄いお化粧でカバーすれば手術を受けたことがわからなくなっています。この日にもう片方のまぶたの手術もしています。

いちのせ式目頭切開+部分切開法二重整形手術 手術直後 術後2カ月

手術後2カ月
ほぼノーメイクです。切開した目頭はまだわずかに赤みが残りますが、他人から見て手術の形跡はほぼわからなくなりました。

いちのせ式目頭切開+部分切開法二重整形手術  術後3カ月 傷跡目立たない

手術後3カ月
薄化粧をしています。二重のラインはほぼ予定通りです。蒙古ヒダはなくなり、すっきりとしたきれいな目頭が出来ました。まぶたは軽く開くようになり快適で特に問題はありません。

いちのせ式目頭切開+部分切開法二重整形手術  他方の手術デザイン

手術前(右)
右も左と同じ手術を行います。腱膜前転は、術前の眼の開きから計算しやや控えめにします。

いちのせ式目頭切開+部分切開法二重整形手術  他方術後3カ月

手術後3カ月

薄化粧をしています。二重のラインは予定通り目頭のかぶさりのないやや末広がりで、左右差も少なく仕上がっています。まぶたは軽く開くようになり快適で特に問題はありません。切開した目頭は後戻りもなく、傷あとは目頭の縁に位置しているため目立ちません。

いちのせ式目頭切開A法の利点

  • 1.傷あとは目立ち難い(傷は見えにくい目頭の縁にある)
  • 2.目頭が丸くならない
  • 3.新しい目頭の位置を細かく設定可能
  • 4.蒙古ヒダ(目の内側のつっぱり)が十分に除去できる
  • 5.下向きに伸びる目頭(インコのくちばし形)を矯正して優しい印象の眼に変える
  • 6.後戻りが少ない
  • 7.目頭付近の二重まぶたを自由に設定可能(平行型or末広型)
  • 8.二重整形の切開とは連続しないため、様々なタイプの二重整形術と組み合わせ可能
  • 9.剥離の範囲が少ない
  • 10.ダウンタイムが少ない
  • 11.目頭切開の傷あとの修正にも使用可能

(欠点は、目頭を単純に切って引っ張ったり皮弁を使うのではなく、目頭の不要な部分を切り取って新たに形成を行う方法なので、術者の慣れが必要で広く普及しにくい術式であるところです。)

この目頭切開法は20年間様々な改良を重ねた術式で、現在も少しづつ進化し続けています。最近受ける患者さんが増加しています。今、強くおすすめできる術式です!


目頭切開の費用とリスク

部分切開法二重まぶた手術 160000円(税別)
+腱膜固定術 100000円(税別)
+目頭切開術 100000円(税別)
(※目頭切開の当院の費用は200000円(税別)ですが、二重整形の切開手術(部分切開法、全切開法)と同時に組み合わせると100000円(税別)に割引されます。)
主なリスク/合併症:傷跡、瞼裂の左右差、ふたえまぶたのラインの乱れ、兎眼、まぶたの変形、ドライアイ、視力変化など



目頭切開の修正手術

目頭切開の修正の対象

①傷あとが目立つ
②蒙古ヒダが残る(まぶたの内側のかぶさり)
③目頭から斜め下に延びるヒダ
④目頭が十分切れていない、後戻り
⑤目頭の切れすぎ
⑥目頭部の二重がせますぎる
⑦目頭部の二重が広すぎる
⑧ワシのくちばしのような、下向きの目頭
⑨丸い目頭
⑩目頭の立体的構造の乱れ(目頭の鼻側のもり上がり/はにわの様な目)

処方箋

※蒙古ヒダ作成するような複雑な手術方法は、傷あとを目立たせるリスクがありますでお勧めしておりません。

治療費用の目安 80,000円(税別)~300,000円(税別) 
主なリスク・副作用 瘢痕 ケロイド 目と目の距離が狭くなる 眼瞼外反 など

目頭切開の他院修正の症例写真

いちのせ式目頭切開+部分切開法(他院修正手術)の症例写真(ビフォーアフター)です。
術前&修正OP後4か月

この症例は、他院で二重整形&目頭切開をされた患者さんです。写真の通り 目頭のかぶさりのないやや末広がりの眼に仕上げることができました。もともとの傷あとは少しだけ目立ちますが、当院での修正手術の傷あとは眼の縁にあるために目立ちません。

術前の問題の改善  いちのせ式目頭切開(他院修正手術)の症例写真。

<術前の問題の改善度>

1.蒙古ヒダが取れていない  (術後)蒙古ヒダなし

2.ハム目  (術後)⇒解消

3.まつ毛の際が見えない  (術後)⇒見える

4.目頭から斜め下に延びるヒダ (術後)⇒なし

いちのせ式目頭切開A法は、目頭切開の他院修正にもとても有効です。

Q&A

Q.目頭切開の傷あとは目立ちますか?

A.当院の目頭切開の傷あとはz形成術より傷が目立ちにくい部分に位置し、韓国のskin redraping method より切開が短く傷あとが目立ちません。最近は透明な糸で縫合していますので、目頭切開の痕跡は早くわかりにくくなります。

Q.目頭切開をすれば平行型の二重まぶたになりますか?

A.当院の目頭切開は蒙古ヒダを除去します。蒙古ヒダが無くなれば、目頭の二重まぶたは好みの位置に入り易くなります。平行型か末広型のどちらかを選ぶことが可能ですが、目頭のかぶさりの無い(目頭付近の二重まぶたの幅が狭い)やや末広がりの二重まぶたのリクエストが最近最も多く、自然な感じに仕上がり易いと思います。

Q.目頭切開で内側が狭い(平行型っぽくない)二重まぶたにすることができますか?

A.当院の目頭切開の傷跡は目頭の縁に入れて目立たなくし、ふたえのラインは傷跡とは別に作ります。目頭付近の二重の広さ広くしたり狭くしたりするには、眼輪筋の処理の仕方を変えることでコントロール可能です。

Q.目と目の間が狭くなるのが嫌なのですが?

A.いちのせ式目頭切開A法は、あらかじめ新しい目頭の位置を決めて蒙古ヒダを除去し術後の後戻りもあまりしませんので、狙った分のみ正確に目頭切開が可能です。現時点では正面から見て0.5mm~2mm分の目頭切開が可能ですので、 症例に応じてご希望に応じて決めることが出来ます。目と目の間が狭くなるのが嫌な場合には、0.5mmの目頭切開で行えば目と目の距離が狭くなるのを最小限にすることが可能です。

さらに、まぶたの内側のたるみを取りたいが目を寄せたくない方には、目頭の頂点を切開せずに眼瞼内側の蒙古ヒダ切除術をすれば、目と目の距離を狭くすることなくまぶたの内側のかぶさりを除去できます。この方法は特に眉下切開と組み合わせると相性がとても良く、より自然な印象のままタルミ取りができることが確かめられています。

Q.いちのせ式目頭切開A方を受ける上で必要なことは?

A.目頭切開に自分がどのような効果を求めるかをよくまとめてくる必要があります。

いちのせ式目頭切開A法では、目頭切開を受ける目的(目頭切開でどのような効果を望むのか?)によって、術式の細かい部分を変更します。

例えば、目と目の距離を狭くしたい、蒙古ヒダをとりたい、目頭から下に延びる溝をなくしたい、目頭のヒダに汚れを溜まらなくしたいなど、求める効果によって組織の処理方法が異なります。説明するのが難しい場合もあるとは思いますが、自分自身の言葉で感じるままに医師に伝えて頂ければ、それを汲み取って術式を工夫しますので安心してください。

Q.いちのせ式目頭切開A方を受ける上での注意点は?

A.いちのせ式目頭切開A法は蒙古ヒダを切除しますので、後戻りの少ない方法です。したがって、元に戻すのは難しいです。目頭切開に対して大きな効果を求める気持ちは理解しますが、出来る限り控えめな切開をお勧めしています。

Q.抜糸は1週間後でしょうか?

A.当院の目頭切開の頂点付近の抜糸は1週間では行いません。1か月後に残っていれば抜糸します(理由があって抜糸を遅らせた方が傷あとがきれいになり易いのです)。糸を残していても肉眼では見えにくい透明な糸なので、周囲からみてもほぼわかりませんし、お化粧も可能です。

大阪・尼崎から遠方の方は、抜糸を2週間後にすれば術後の診察を一度で終わらせることも可能です。

Q.化粧はいつから出来ますか?

A.目頭切開術後の化粧は、傷に塗らなければ翌日から可能です。4日目ぐらいからは傷に塗っても通常差し支えありませんが、よく落とさないと炎症が生じることがあります。

Q.目頭切開はいろいろな種類があってどれを受けたら良いかわからないのですが?

A.目頭切開には主なものでも10種類以上の術式があってどれを選んでよいのかわからなくなると思います。それぞれを詳しく分析しますと、切開の位置が違っても皮膚をトリミングして縫合すると結局は同じ様な結果になる術式もありますので、実質的にはそれほど多くありません。

日韓の目頭切開の名医の術式について私見を含めて下に述べます

歴史的に日本の目頭切開の名医といえば内田先生や平賀先生がまず思い浮かびます。残っている文献には術式の詳細は詳しく述べられていませんが、皮膚切除の位置や範囲、眼輪筋や他の軟部組織の取り扱い方など実際にはいろいろな秘訣があったのではないかと思えてなりません(そうでないと失敗してしまいます...)。

韓国の目頭切開の名医といえば、skin redraping method で有名なOh先生です。韓国の学会にいきますと、skin redraping methodが韓国で最も多く行われている様に思います。韓国ではもう1人目頭切開の名医として有名なのはPark先生で、そのz形成術は韓国や日本で良く使われています。 韓国でも近年は瞼縁に傷あとがくる目頭切開の術式が増えていますが、平賀法こそそれらの基本になる術式と言えるものであり、実際に韓国でも注目されています。

いろいろな術式はありますが、目頭切開の名医の術式を選ぶだけで成功するのではありません。優れた術式の詳細を本当に理解して個々の患者さんに合わせて上手に使用できる先生が、目頭切開の名医になるのだろうと思います。

Q.目頭切開の術後の修正は可能でしょうか?

A.目頭切開で問題になるのは、①目頭の切りすぎ ②効果不足 ③傷あと です。

①に対しては、少し皮膚の余裕があれば「いちのせ式目頭切開A法」を逆に用いることで修正可能です。

②は、「いちのせ式目頭切開A法」によりほとんどの場合で解決可能です。

③は、修正できる場合と出来ない場合があります。傷あとが目頭の縁から大きく離れていない、かつもう少し目頭を切開する余裕があるならば「いちのせ式目頭切開A法」で傷あとの大部分を蒙古ヒダに隠すことにより、多くのケースで修正可能です。目頭の皮膚に少し余裕があれば瘢痕修正術を行います。目頭を切開する余裕がないケースは難しいのですが、瘢痕を方向を調整して何回かに分けて少しづつ切除したり、レーザー照射と組み合わせたりしてかなり目立たなくできるケースもあります。

目頭切開の費用とリスク

部分切開法二重まぶた手術 160000円(税別)
+腱膜固定術 100000円(税別)
+目頭切開術 100000円(税別)
(※目頭切開の当院の費用は200000円(税別)ですが、二重整形の切開手術(部分切開法、全切開法)と同時に組み合わせると100000円(税別)に割引されます。)
主なリスク/合併症:傷跡、瞼裂の左右差、ふたえまぶたのラインの乱れ、兎眼、まぶたの変形、ドライアイ、視力変化など


目尻形成術

目尻固定術

1.目尻切開術

目尻を切開し、下まぶたの外側を斜め下に少しずらして固定します。目尻は、外下方に下がります。(手術時間 片側10分ほど)

対象

  • 眼を外側に広げたい
  • 求心顔(目と目が寄っている)
  • つり目の改善

※当院では、目尻切開術は積極的にお勧めしておりません。→下記のQ&A参照

2.目尻靭帯固定術

目尻には、眼の横幅を保つ靭帯があり、加齢や下まぶたの手術で緩みます。 目尻の靭帯を固定することにより、丸い小さな眼が切れ長の眼に戻ります。(手術時間 片側10分ほど)

対象

  • 年々眼が(横幅が)小さくなった
  • 眼が丸くなった(眼瞼下垂症の術後など)
  • 下眼瞼リフト後なんとなく眼がおかしい(目が小さくなった気がする)

Q&A

Q.目尻切開はおすすめですか?

A.目尻を小さく(2mm程度)切開しても正面からみて眼を外側に大きくする効果はごくわずかです。大きく(3-4mm)切開すると確かに目の外側は広がりますが、不自然な目尻(赤い粘膜が見えたり反対方向に目を動かすと目尻がつっぱる)になりがちです。涙がまぶたの外側から流れ落ちるなどの機能的な問題も生じることもあります。

ですので、当院では目尻切開は積極的にはおすすめしておりませんが、他の術式を検討したのちに、どうしてもの最終手段とてして目尻切開を選択します。50才以上で目尻が緩んでいる症例がありますが、この場合は目尻切開ではなく目尻固定術をお勧めしています。

Q.他院で行った目尻切開の傷跡が目立つのですが

A.目尻切開の他院修正は可能です。切開された目尻を縫合して元に戻すのならば、最近日本で行われている目尻切開手術のほとんどのケースで修正可能です。しかし、切開された目尻を単純に縫合しても治りません(結膜の処理が必要!)ので詳細はご相談下さい。

グラマラスライン形成も行っている場合には、結膜が特に不足していることが通常なため治療が非常に困難になります。粘膜移植なども検討しなければなりません

Q.つり目の治療で目尻切開とグラマラスライン形成術を勧められたのですが?

A.グラマラスライン形成術(下眼瞼下制手術)は、目尻切開と同様にお勧めしておりません。美容的に優れないうえに、将来に機能的問題を生じることがあるためです。当院でも目尻切開術を行いますが、どうしても他の治療では有効でない場合の最終手段と位置づけています。

つり目の修正で目尻切開や下眼瞼下制手術を勧められることがありますが、実は、①目頭切開+②腱膜固定でまぶたの内側を挙げる 方がずいぶんと恰好の良い「優しい印象の健康的で大きな眼」になりますので、当院ではお勧めしています。